前回のおさらいからします。
入社して間もない新入社員が10年以内に退職予定と答えた割合はなんと51.0%!
このことから言えることは、せっかく新卒の採用活動を頑張って採用し、入社後に教育を行っても会社の戦力になっている10年後には半分の社員も残っていないことです。
そこで入社間もない新入社員が10年以内になぜ会社を退職したいのか、その理由を知る必要があると思います。
その理由を知って、どのようにすれば長期雇用を実現させ戦力になる社員を確保していけるのかを考えていきたいと思います。
下記のアンケートはマイナビが行った10年以内に会社を退職したいという人を対象に、今の会社で、ずっと働くと思わない理由は何かという質問に対してその理由を答えたものです。
1位 ライフステージに合わせて働き方を変えたいから・・・30.7%
2位 給料がいまいちだから・・・27.5%
3位 色々な会社で経験を積んでいきたいから・・・26.8%
4位 転職でキャリアアップしていきたいから・・・26.8%
5位 仕事がハード、厳しそうだから・・・19.9%
この結果から皆さんはどのようなことを思い、考えるでしょうか。
弊所としてはこのアンケート結果から、2位の「給料がいまいちだから」と5位の「仕事がハード、厳しそうだから」の2つに着目しました。
考え方はいろいろあるとは思いますが、この2つに着目した理由は他の3つに比べて会社の努力次第では改善できる可能性があるからです。
この結果から企業は2つの理由を解消するために努力すれば人材の流失を防止することができると考えられます。
そして他の理由にも目を向けてみましょう。1位の「ライフステージに合わせて働き方を変えたいから」は男女で大きな開きがあり、これは女性の結婚と出産が理由です。これは会社としては社員の人生ですので、なかなか改善することは難しいと思います。
しかし女性社員が半数以上のある企業では、出産育児期間中に会社がサポートし、例えば他の社員が勤務中にその子供のお世話をしたりして会社全体で出産育児期間中の社員をサポートしています。
そういった取り組みもあり、結婚・出産して辞める社員も少ないとのことです。また新卒者10名前後の採用に対し、エントリー数が3,000人ということです。このように企業努力で対策を立てることもできます。
3位と4位は方向性としては同じような理由になります。この2つの理由は昔に比べて今の新卒の方は1つの会社で定年まで働くという考えではなく、3位と4位の理由のように色々な経験を積み、キャリアアップしていきたい、その経験を生かして開業したいという新卒者が増えていることが挙げられます。
その考え方をどのように捉えるかです。弊所としては2つ対策が考えられます。
1つ目は3位と4位の理由を1つの会社で叶えられる組織作りをすることです。しかし、これはある程度の企業規模でないと実現することは難しいと考えられます。
もう1つの対策としては、採用時に将来的に独立するかどうかを見極めることです。見極める方法は弊所では将来的に独立するかどうかを面接の質問で見極めたり、他の方法を使って判断することができます。
会社としては、ただ仕事ができそうな期待を持てる人材を採用するだけでなく、独立せずに長く働いてくれる人材を確保することも大切になってきます。
そこで次回は長く働いてもらうために、「どのような職場であれば働きがいがあるか」をご紹介して解説していきたいと思います。
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