ひと言に「ほめる」といっても、どの部分についてほめるかで結果は大きく変わっていきます。人をほめる際は相手の「能力」をほめるべきでしょうか。それとも「努力」についてほめるべきでしょうか。
その答えは子供を例にした実験で分かります。10歳前後の子供たちに幾何学図形を使ったテストを受けさせて、実際の正解や点数に関わらず、全員に「8割くらい正解でした」と告げます。そのとき、子供達を3つの異なった条件でほめます。1つ目は「こんな問題を解くなんて頭がいいのですね」(=能力のほめ条件)です。2つ目は「こんな問題を解くなんて一生懸命勉強したのですね」(=努力のほめ条件)です。3つ目は何もほめません(=統制条件)でした。
次により難しい問題でテストをします。そして全員に「半分も解けていなかった」とネガティブな結果を伝えました。
この実験で明らかになったことは「能力のほめ条件」の子供は高い点数を取ることでほめられたい「成績目標」が勉強の目的になりました。「努力のほめ条件」の子供は新しいことを学びたい「学習目標」が勉強の目的となり、それぞれ追求する目的が変わっていきました。そして結果的に「努力のほめ条件」の子供のほうが成績の向上に効果を上げていたことが分かりました。
このことから会社に置き換えると、結果もほめつつも結果を出すまでの過程である部下の「努力」をしっかりほめることで、さらに良い結果に結びつくということです。
上司の皆様も結果はもちろん部下の努力した過程をしっかりほめてあげて、本人の意欲をどんどん高めていきましょう。
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